「すったて」はどんなお味で、なにが特徴なんでしょう?

代々、川島町の農家に受け継がれてきた「すったて」は、基本的に“うどん”なんですが、ゴマと味噌、夏野菜のつけ汁で冷たくひやした麺をいただく料理です。

 

タンパク質が豊富な大豆を主成分とする味噌は発汗で失われた塩分も補給してくれ、キュウリや青ジソ、ミョウガなどがたっぷりと入り野菜のさわやかな涼味が食欲をそそることで、まさに夏の定番料理として最適だったのです。

 

重労働と酷暑を乗りきる農民たちの知恵がぎゅっと詰まった、懐かしい料理なんですよ。忙しい農作業のあいまに簡単に美味しく食べられる「すったて」は、「冷汁(ひやじる)」とも「つったて」とも呼ばれるそう。

 

また、うどんのみではなく、ご飯にかけても美味しいんですって。川島町では、「毎食すったてで十分だ」というひとも多く、もっともポピュラーな家庭料理です。各家庭で作り方も少しずつちがい、家ごとにそれぞれの味があります。

 

氷のない時代では手打ちうどんは井戸水でひやすのがふつうで、さらに冷たい井戸水をうどんに注いで暑い夏を過ごす料理としたのです。「すったて」は野菜がたくさん入っていて、ゴマと薬味の香りがいいから食もすすみ、満腹感も十分です。作り方を覚えて、自宅でも味わってみましょう。